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ドキッ!男だらけの
ぶらり(何がだ)湯けむり大仏紀行

─ 常夏戦隊、北へ!その前に南へ! ─


■7月7日■

去る2004年の7/7〜7/8、我々ブラック、ブルー、リーダーの3人は
かねてより計画していた旅行を敢行した。
行く先は袋田温泉ホテル…。
かつて『映画版』作成の折、取材のために宿泊した思い出の宿だ。
映画版』を書き終えた頃から「いつか再びこの地を訪れよう…」と心に決めていた我々は
全125話を書き終え専用サイトを立ち上げた今、遂にその宿願を果たす運びとなったのだ。

現在は埼玉に住むブラックと、いまだ水戸に住むリーダーとブルーは
まず茨城中腹の牛久駅で落ち合う事にした。
この地には『魔王ザンベ篇』で使用したかの牛久大仏が鎮座ましましており、
かつてリーダーとブルーは取材に訪れているのだが
未見であるブラックの為に再び拝観奉ろうという目論見である。


改札を出た所で、リーダーは目の前にでかでかと案内があるにもかかわらず
売店で「大仏はどっち方面ですか?」と聞いてしまい、失笑を買った。
(以前の取材時は車だったのだ)




駅前の片隅にあった意味不明の構造物。
我々はその前にただただ立ち尽くし、
旅路への予感、地球の未来、そして今晩の料理について想いを巡らせた。


大仏までバスで30分。畜生、焦らしやがるぜ。


到着〜。何やら看板がある。
光・風・音・色・香り… すべてが生命力にあふれる世界
無茶言うなって感じ。


入場〜。どれどれ、件の仏(ブツ)が見えて来たぞ… アレ?


なんだよ、大仏ってこんなモン?しかも晒し首状態って。
ハハッ。正直、負ける気がしな…


ち…違う!本物はあっちだ!!
「ヒ、ヒィッ」
思わず声以外のものまで漏れそうになる。


ぜ、全長120m!?ギネスに登録!!??
青「ひゃ、120mって、焼きそばパン何個分!?
彼の判断基準がわからない。


し、しかしデカイ…。デカ過ぎる。
赤「120mっていうと、イデオンと同じ位じゃないですか?」
黒「いや、ダイターン3とかが丁度じゃなかったっけ??
青「ここはむしろコンバトラーの2倍って方が解り易くありません!?
諸説入り乱れるも、ジャンルに統一性が感じられる辺り
抜群のチームワークが見て取れた。


でか過ぎて頭がフレームに収まり切らない。


大仏の麓にある池でクールダウン。
まったく今年はまだ梅雨も明けていないというのに異常なほど暑い。


100円で鯉の餌を購入し、惜しみなく分け与える。
フハハ、まんまと寄って来おるわ、この愛い奴どもめ…


ギャアアァァッ!!!
なッ…なんだこの密度は!?
暑さのせいもあってか体半分水上に出ていて動きも悪く、なんだかちっとも鯉に見えない!
お前らヒルか!!


大仏の足元から見上げて思わず笑いがこみ上げる。
デカイってそれだけで面白い、と素直に思えた瞬間。


後ろ側に回ると石っぽい扉がある。そう、この大仏は中に入れるのだ。
前のグループが先に入って行き、閉じた扉の向こう側から
正味1分程なんか洗脳テープの様な声が聞こえて来た。
 

 

…その後、自分達が入ってからの事は何も憶えていない。
気付いた時には炎天下の中ぽつんと大仏の前に立ち尽くしており、
その後、いくら捜してももう2度と入口は見つからなかった。
 

 

何だか心にポッカリと穴の空いた気持ちのまま、
我々は大仏と同じ敷地内にあるミニ動物園へと赴いた。

 
うさぎ

 
リス

い、癒される…。
都会に傷つき、渇き切った心に潤いが染み渡って行くのが分かる。


あまりの暑さと大仏の精神攻撃によって豚に姿を変えられてしまったブラック。
水を浴びてとっても気持ち良さそう。


ヤギ(多分)


…?(ワラビー…だったかな…)
 

 


ひとしきり大仏まわりを堪能した我々は、
あまりの暑さのため予定よりも早く袋田に向かう事にした。
常磐線で水戸まで戻り、水郡線へと乗り替える。
下校時間にかぶってしまい意外にも混雑。


ゴトトン、ゴトトン。水郡線は車両が2両しかない、のどかな線だ。

   
ドア脇に『開く』ボタンがあったり、整理券があったり、運賃箱があったり、料金表があったりと
珍しい物だらけでなんかバスみたい。路線図からしてこんな↓ですよ。



袋田駅に到着〜。
水郡線は途中から無人駅が多くなるが、ここは一応有人だ。
余談だがもう少し先に行くと大子という駅があり、そこから茨大の合宿所に行ける。
我々の在学中の漫研は、そこで毎年新歓コンパをやっていたものです。
(今はどうか知らない)


袋田駅外観。いい風情だ。
…思えば茨城の南端近く(牛久)から、
今度は一気にほぼ北端まで来た事になる。結構な旅程だ。
この後、旅館の人が車で迎えに来てくれた。


ご到着〜。


…かつて『袋田温泉ホテル』だったこの場所は、
現在(いま)は『思い出浪漫館』なるものへと変貌を遂げていた。
時は人を、そして世界の姿すらも変えてしまう…
だが、変らぬものもこの世にはあるのではないだろうか?
(例えば我々の社会的立場とか)


 
以前の姿。こうして見ると影も形もないですな。

 
1階ロビー。すっかり洋風になっちまってマァ。(右は昔の写真)




此処が我らの一夜の宿だ。
窓を開けると爽やかな風が吹き抜けたかも(よく憶えてない)。


ベランダの風景。ヤア、絶景かな、絶景かな。

この後、早速名物の露天風呂に入り、しばし昔日を懐かしむ。
母屋の方はすっかり見違えてしまったが、離れの此処は殆ど様相が変わらない。
今にも目の前の川辺から、ハッシーが等身大リカちゃん持って突撃して来そうだ…
黒「そうだリーダー、アロハパワーで女湯に突入して来てよ!」
赤「…じゃあまず屏風からアロハパワーを出して下さい」
ブルーが尻からアロハパワー(気体)を出したり。


そして夕食に舌鼓♪ 旅館特有の固形燃料で焼く品もある。これぞ正しき旅館メニュー。
歳とったせいか、この量でも結構腹一杯になってしまった。
十ン年前とは違うのぅぅ(哀愁)。


おもむろにマイクを取り出して歌う真似をするブルー。
別にカラオケとかではなく、打ち上げ記念対談をやろうというのだ。
実はこのマイク、対談を録音する為に急遽牛久のデパートで買ったのだが
いざウォークマンに繋いでみたら感度が足りず全然音が入らなかった。
よって対談はお流れ。
青「折角全てを振り返って〆めようと思ったのにィ…」

リーダーが記録&ディスカッション用に持って来たプリキュアスケッチブック
もちろんネタでチョイスしたわけだが、結局1枚も使われる事無く
今も部屋の片隅に埋もれているのがなんとも物悲しい。

ブラックは大分疲れていたのか、割と早々に寝てしまった。
まだ時間も早いので、リーダーとブルーはもうひとっ風呂浴びに行く。
今度は露天ではなく館内の風呂だ。
こっちは館と一緒に改装されているので、新鮮である。

戻って来て、また起き出したブラックを交えてオープニングムービーの打ち合わせ。
この頃もう既に曲は完成しており、このまま一気に動画も完成させようとしていたのだ。
実際は…未だに全っ然進んでません。
…おっかしいなァ〜、もう1年以上経ってるのに…(-_-;;;モウチョットマッテ

その後、今度はリーダーが寝てしまったので、ブルーとブラックでまた風呂に行く。
…ってアレ?俺(ブルー)、3回も風呂に行ったのか??
お前はしずちゃんか!

■7月8日■


翌朝、目覚めのお茶をすするブルーとブラック。
物憂げな表情で何を思うのか…(多分何も考えてません)。

…などと悠長な事をしていたら、実は朝食の時間がギリギリな事に気付き
慌てて食堂へ(何やってんだか)。
朝食は昔と違い、すっかり今風のバイキング形式になっていた。
既に我々が最後の客だったが、まだパンとかも補充してくれててホッ。

バイキング形式って、和食と洋食両方置いてあるとどっちにしていいか迷わない?
で、両方盛り込んだあげく食い切れなくなるの。
…アレ?もしかして俺だけ?

    
食後部屋で少しのんびりしてから、1階ロビーに下りて冷たい飲み物をしばく。



外にもテーブルがあったけど出なかった。だって暑いんだもん。


そんなこんなで、再び袋田駅に戻った我々は
短い旅の帰路へとついたのだった。


帰り際、ブルーとブラックはこんな賭けをした。
青「…1年後、サイトが12,000Hit行ってるか当てたらビール1杯ってのはどうですか?」
黒「よぉ〜し、じゃあ俺は『行ってない』方ね(笑)」



――お陰さまで賭けは僕(ブルー)が勝たせてもらいました。感謝♥


おわり


■おまけ情報■

牛久大仏 牛久浄苑
http://www.iijnet.or.jp/am/
一生に一度は観ておきたいその威容。
出来ればバスでなく車で行く事をお薦めします。
まだ遥か遠方からフロントガラス越しに見え始める、森の向こうの巨大像…。
遠近感を無視してそびえるその姿には、
「あ…アレは宇宙から飛来したモノに違い無い!」と素直に思える迫力があります。
未知との遭遇』か『ゴジラ』のテーマ辺りをガンガンにかけながら向かいましょう。
冗談抜きで、大仏ひとつで充分に行く価値がある所です。
あ、もちろん大仏の中に入ってもあんな事にはなりませんよ(笑)
ぜひ直に足を運んで、実物の中身を確認しよう!

思い出浪漫館
http://www.foh.co.jp/
劇場版』で登場させた、かつての『袋田温泉ホテル』。
近くには日本三大瀑布のひとつ、袋田の滝があります。
(ゴッドアロハが出て来た所ね)
この辺は鮎、蕎麦、蒟蒻など、色々な山の幸が名物になってます。


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