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ALOHAMAN IN ETERNAL SUMMER
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第62話
原、回る!必殺のハイパーハラコフカノン
1989年5月27日放映


 前の経験で鍛えられたのだろうか、今回の原の回復は早かった。冗談抜きでコマ切れになったのに、前と同じ期間でもう人並みに回復したのだ。
「つくづく人間じゃねえよな…」 「ほっとけ!」
 たぶん、何かコツでもつかんだのだろう。
 しかし弾があったとて銃がなければどうしようもない。もはや100円カノンを買う金さえ残っていないのだ。
「こうなったら自作するか…」 「何、カノン作んの?」
「別にカノンでなきゃならん法はないだろう。『ハラコフエアガン』てのはどうだ?ブルーの屁圧で飛ばすんだ」
「真っ平御免だね…飛ぶ以前に臭くて死んじまうっての」
「『ハラコフアロー』は?矢じりが原なの」
「飛ばねえだろ、バランス悪すぎ」
「天井から釣り下がったロープに掴まって敵まで一直線!『ハラコフアーアアー』ってのは?」
「天井って?」
「合体技はどうだ。原を担いだ俺をブルーが投げて、空中で俺が原を投げるという2段加速!」
「たしかに戦隊っぽいけど…」
 最終的にハラコフ投石機に決定。しかし『真空の壁』対策がたたない以上、飛ぶのはブルーかブラックだ。
「もう、ハラコフの時代は終わったのかな…」 複雑な気持ちの原。
 いいんだ…これでよかったんだ!よかった…筈なのに…

*            *            *

 マグワイヤーが畑で野菜泥棒をしているとの情報が入った。早速出動するアロハ三人。しかし今回の怪人は、ブラックの天敵カマトト怪人だった!
「しまった…カマトトにはやらしい言葉が通じない!!
 やむなくブルーが投石機で飛ばされた。だがなんとカマトト怪人には鼻の穴もなかった!殺人臭もなんのその、飛んできたブルーの尻にコークスクリューをお見舞いした!屁の逆流で悶絶するブルー。
「つっ…強すぎる!」
 万事休すと思われたとき、原が思い詰めたように叫んだ。
「俺を…飛ばしてくれ!!自分の存在意義を確かめたいんだ!!
「オッケー♥」
 怪人が原に気を取られている間に逃げようとホイホイ用意する二人。早速発射!ドオン!!と予想以上の轟音を立てて怪人に衝突する。
「おい…何だかちょっと効いてるみたいだぜ!?
 意外にも原より怪人のダメージの方が大きかった。どうやら投石機の作りがいい加減だったせいで、発射時にひねりが入ってしまったのが功を奏したらしい。
「そうか!もっと強力なスピンをかければあるいは…!」
「けどこの投石機じゃ無理だぜ!?スピードだって足りないし…」
 あと一歩、あと一歩で勝てるのに…このまま逃げるしかないのか!?
 その時、突如たちこめた暗雲の中から悪魔の囁きが!
「その力、お前達欲しいか…?」 「ほ、欲しい!!
「ならばこの契約書にサインせよ…!」
 と、突然空中から羊皮紙が出現した!無我夢中でサインする三人。
「では受け取るがいい…!!
 突如地面に浮き出た魔法陣から、見るからにグレードアップした鋼色のカノンが現われた!
「なんだコレ…わきに『破戒覇原呼風砲』ってあるぞ?」
「なんか族みたいだな」
 天の声がのたまった。
「戒めを破り覇者となった原が風を呼ぶ砲…即ち『ハイパーハラコフカノン』!!
「ハ、ハイパーハラコフカノン!?
 原の背中に電撃が走った。
 これだ…こいつと巡り合うために、今日まで俺は生きてきたんだ…!
 砲身の中に入り込んでみると、まるであつらえたようにぴったりフィットした。こここそが俺の居場所だ。撃鉄を起こし、発射!
 凄まじい威力で撃ち出された原は、砲身の内壁に刻まれたライフル溝によって物凄い勢いで回転していた!!
「なっ…何のひねりもない原のギャグに、物理的なひねりが!?
「なんっって凶悪な技なんだーっ!!!!
 絶妙のタイミングで『真空の壁』を放つ怪人、しかし強烈に回転する原は『真空の壁』を突破した!!三悪もろとも怪人をふっとばす超威力!!
「やったな、原ー!」
 しかし原は、強烈な回転とそのGによって涙・鼻水・果てはゲロまでが大量に逆流し、メットの中はさながら地獄と化していた。危うく失神窒息死するところだった原。
「俺は…俺は嫌だ!もう嫌だーっ!!
「すぐ慣れるって」
「誰が二度とのるかーっ!!
「馬鹿!これにもローンが組まれてるんだぞ!?
「…俺たちゃ、なんてものにサインしちまったんだ……!!

 久々の勝利の味は、ちょっぴり甘くてやたらと切なかった。


 
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