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ALOHAMAN IN ETERNAL SUMMER
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第61話
ザ・歌舞伎町ツアー
1989年5月20日放映


 アロハ三人はただ今貧乏の最下層にいた。何せこの所全然勝っていないのだ。電気水道ガス電話全て止められ、前々回のカエルの干物で食いつないでいる始末。カエルの塩焼き、カエルの吸い物、カエルの辛子マヨネーズあえはなかなかいけた。
「これじゃあ栄養かたよりそうだなぁ…」
 押し入れには例のカプセルが設置され、アロハスーツにくるまれた原の肉片がこぽこぽと浮かんでいた。アロハスーツには代謝機能を促進する働きがあるのだ。最近ようやく神経系が生え揃ってきていた。
「何かタイムフロシキみたいだな」
 しかしこのままでは原の修復費用もままならない。何か割りのいいバイトはないものか…
「そうだ、ホストだ!」 「何!?
「男日照りの有閑マダムを引っ掛けて、ガッポガッポ貢がせるんだよ!『僕達、正義の味方(  ヒーロー  )やってるんです』なんて言ってみろ、そりゃあアンタ、イチコロよ!」

 早速歌舞伎町に出向き、ホストクラブで雇ってもらう。しかし鉄面皮でガンたれてくるブルーを指名する客はなく、ブラックもその厚すぎる唇とバカ正直な股間が災いして誰も相手にしてくれない。
「くそっ、こんな時原が居てくれたら…」
「…居たら一瞬にして追い出されると思うが?」
「いやあ、居なくてヨカッタネ」
 しかし遅かれ早かれ結果は同じだった。その日のうちにクビになり、一銭ももらえぬまま追い出された。
「親方ァ、捨てないで下せ〜!」
「いやがらせしてやる…末代まで祟ってやるぅ〜!」
 あまりのしつこさに手を焼いた店長は、とうとう手切金3千円を出して帰ってもらった。
 歌舞伎町で金があったらやるこたひとつ。命の洗濯と洒落こもうとするが、どこも予算オーバーだ。
「もう帰ろうぜ…何だか空しくなってきたヨ、俺」
 あともう一軒!と粘り続けるブラック、とうとう1回千円ポッキリの激安店を開拓した。そこは路地裏の隙間に建てたようなバラック小屋であった。見ると「一発千円ポッキリ!地酒あり(マス)」とあった。
「うっひょー」 「こりゃたまるか!」
 しかし黙々と客引きをする男を見て驚いた。
「モッ…モリッター!?」 よく見ると店名は『まぐわい屋』だ。
「自分で言っちゃおしまいだよな…」
 入ってみると、ソーヤが女将をやっていた。不安はつのりつつも、千円ポッキリの魅力には勝てない。幸い変身してないので正体がバレる事もない。整理券をもらってカウンターに座る二人。自家製ドブロクを頼むも、ハッシーがすでに全部飲んでしまってないという。そわそわしまくるブラック。「@番の方どうぞー」の声に矢も盾もたまらず飛び出した。天幕の向こうに居たのは、ハッシーの好みが反映してか、童顔に似合わずたわわな胸というアンバランスさがたまらない女子高生であった。ブラックの男性自身は見る見るうちに(ナエ)から木樹( ボッキ )へと大成長を遂げた。
「もっ…たまりましぇ〜ん!!
 やおら脱衣す( クロス・アウト )るブラック、欲棒ムキ出しにしてのたまった!
「男は誰でも・・・ここらにカノンを持っている…俺のバントラインスペシャルの餌食になりな!」
 がばと覆いかぶさり、核心に触れてみて驚いた。なんと女子高生の股ぐらには隆々とした凸起部分が!実はその女子高生、ハッシーが見よう見真似で作った怪人なのだが、何せ本物の女体を見た事がない。写真にものっていない部分を、同じ人間、さして変わるまいと自分の股間をモデルにしてしまったのだ!
「いっ!嫌ああああああ〜〜〜〜〜〜〜っっっっっ!!!!!!!!
 絶叫と共に転がり出てきたブラック。
「どうしたブラック!ボられたのか!?
「いや…ホられた!」 「何!?
 見るとブラックのズボンには血がにじんでいた。
「お前、まさか初…」
 恥ずかしそうにコクンと頷くブラック。彼は大人の性に目覚めかけていた。
「彼女(?)はその時荒々しく菊の御紋を押し分けると、漆黒のエボナイト棒を深々と…♥」
 叙情豊かに事の顛末を述べたてるブラック。ブルーは想像力を押さえきれず嘔吐した。
「背中を電気がかけ昇り、私の一番敏感な部分は…」
「もういーって!」
 いったん外に出る二人、変身して立ち向かう事にする。しかしカノンを呼び出そうにも、残金600円しかない。
「これじゃカノン代100円しか出んぞ」
「そんなのあるのか!?
 …しかし100円カノン『撃てるんですエコノショット』が送られてきた!火薬を大幅に削減した短射程砲だ。
「今の俺はホネぬきだ。お前が代わりに飛べ!」
「お、俺が!?
 思わず緊張するブルー。とうとう俺も華々しくデビューか…。勢い括約筋にも力が入る。カノンの中に入ってそもそものキッカケを思い返した。…そう、あれは友人の姉が勝手にオーディションに応募して…
 やおら怪人に向かって撃ち出されるブルー。屁圧が火薬の少なさを補ってすばらしい初速を得た。だがこのままの体勢では怪人に屁を浴びせる事は出来ない。そこでブルーは絶妙のゲップと屁さばきで姿勢制御を施した!
「な、何いッ!?
 高圧高温おまけに高音の屁はブルーと共に真空の壁を乗り越えて、怪人のもとへと飛び込んだ!

 大量の屁は町の界隈へも流れだし、異臭騒ぎを引き起こしたという。


 
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