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ALOHAMAN IN ETERNAL SUMMER
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第91話
合い言葉はNANTITE
1989年12月16日放映


 今回、いきなり三悪に向かってハイパーカノンで発射されている原。命中直前にハッシーがおもむろに「実はラブレターを預かっているんだが…」と一通の手紙を取り出した。
「なっ、何!?」あまりの事に相手にぶつかることも忘れた原は鎮座して手紙を受け取り、いそいそとデートの用意を整えはじめた。
「今夜8時にホテル鹿児島のロビーで待ってますって書いてあったぞ」「そ、そうか…すぐに行かなきゃな」と言う台詞を言い終わる頃にはすでに轟天号に乗って走り去っている原。ちなみに、冒頭からここまではたった3コンマ7秒の間に流れるように展開された出来事だ。そして爆煙が収まった後には、いつものようにアロハレッドが立っていた…!
「よう、ご苦労さん!」 「今日もいい回転だったな、原ー!」
 実はそのレッドこそマグワイヤーの作った怪人、『偽レッド』だ。
 件の原あてのラブレターは、原と偽レッドをすり替えるための巧妙な罠だったのだ(爆煙が晴れ上がった時、原はすでに地平線の彼方に消えていた)。そんな事とはつゆ知らずに偽レッドを迎えいれ、魚光に帰るブルーとブラック。
 実は偽レッドには発信機が取り付けてある。
 たとえアロハマンといえども家に帰って変身を解けば単なる一般市民(の筈)。そこを急襲すればたやすく勝てるという寸法だ。よしんば勝てなくても家に火を付けてしまえばしばらくは立ち直れまいという、二段構えの完璧な計画!そうとも知らずに、メットをとろうとしない偽レッドを「どうした、ついに自分の顔の恥ずかしさに気付いたか?」などとからかいつつ魚光の部屋に凱旋するブルーとブラック。
 知らない間にアロハマン、放映開始以来最大のピンチ!!
 …が、しかしまさか敵が同じアパートの隣の部屋に住んでいたなどとは思いもよらないマグワイヤー。偽レッドの信号が隣の部屋から出ているのを押し入れの中から出ているものと勘違いしたソーヤ、発信機をセットするのを忘れたな!とハッシーを踏み付ける。
 さても隣の部屋ではギャグ回路が内蔵された偽レッドにより面白いギャグが逐次披露され、ブルーとブラックはなんとも落ち着かない不安な夜を迎えていた。さらにいつまでたってもメットをぬがない。飯の時もちょっとだけずらして器用に食べ、味噌汁やお茶はストローで飲んでいる。好奇心でメットの中を見たくなる二人だが、見てしまったら何か取り返しがつかなくなってしまう気がして結局手が出せない。
 一方、アロハマンの基地を突き止める事に失敗した三悪は作戦の第二段階に移行した。なんと今回自分たちの悲惨な財政状況も顧みず更にもう一体の怪人を製作、こいつがアロハマンと戦っている背後から偽レッドが挟み撃ちにするという完璧な布陣をしいた!早速、出撃!
 全ては予定通りに運んでいた。アロハマンも出てきて、当然初めは格闘戦になるだろうと信じていたのに、アロハマンはしょっぱなからカノンを呼び出してきた。当然発射に耐えられるようになど作ってあるわけがなく、ハイパーカノンの強烈な爆圧と回転により偽レッドはこっぱみじんに空中分解してしまった。「あ、あれ…!?」と戸惑いを隠せぬ二人。
 かくしてマグワイヤーの作戦は失敗した。
        *            *
 戦い終わって粉々になった原(偽レッド)を拾い集めて例のごとくカプセルで再生しようと部屋に戻ったブルーとブラックは、結局一晩待ちぼうけを食って戻ってきた傷心の原とばったり出会う。
「すごいな、原…!あんだけズタボロになったのに(カプセルに入れる前から)もう復活したのか?」
 自分が何を手にもっているか忘れているブルー。
「?いや…俺のハートはまだズタボロだヨ」としょげかえる原。
「ワハハハ、なンだよなかなか上手い事いうじゃないの!」
 バンバン背中を叩くブラック。かくして、彼らはそれぞれに誤解したままで、それぞれ勝手に納得してしまったのであった。


 
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