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ALOHAMAN IN ETERNAL SUMMER
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第112話
さらば愛しき四天王
1990年5月12日放映


 その一方で、アロハマンもかなりの重傷を負いつつ尚もしぶとく生き残っていた。原についても、本体は完全に消滅していたが髪の毛や爪、出っ歯など末端の一部は辛うじて残っていた。まあいつもの事なので今回もどうにかなるだろうとどこか楽天的なブルーとブラックだが、原を再生させる容器は是非とも必要だ。
 その事も兼ねて常夏戦隊の守護神、ハイパーハラコフカノンを奪回しようと、三悪共々まぐわいコンツェルンのゴミ捨て場に潜入。なんとかハイパーカノンを見付け出し、原片を無造作に放りこみ、見よう見真似で作った培養液を注いで蓋をする。前回はきっとが足りなかったのだ。
「これで放っときゃ再生すンだろ」
「…それって…本当に人間なのか?」
「『人間なのか』だなんて失礼な!原は『原』に決まって(マス)
「失礼って…(レッド)に対して?それとも人間?」
 とソーヤが問うたその時、サーチライトが一同を照らした!再びまぐわい軍団に包囲される五人。今度こそ絶体絶命!
「ヘコキャーカノンを使え、ブルー!」 「ハッ、ハイパーでか!?
 原が飛んでひどい目に遭うのは構わなかったが、自分が飛ぶのは嫌だった。だがさすがに場合が場合、ハイパーカノンの威力で一気に突破口を開くほかない。
 で、一旦原片を取り除こうとするが、しかしカノンの蓋は開かない…「あ、あれ…!?
 中で何かが脈動している…。呼吸音らしきものまである。
「中では一体何が!?」 「そんな事よりどーすんだよオイ!?
「いや…そういえば心配ない。こんな時の為にこそ、カノンの電送システムが存在するのだ!!
「するのだったって、カノンはここにあるじゃん!」
 取り乱すマグワイヤーの目前で、ブラックは高らかに請求した。
()く来たれ、ハイパー並の使い捨てカノン!」 「何と!?
 ブラックの手から札束が掻き消え、かわりに「撃てるんですHi(ハイ)」が転送されてきた!
「なんか木と紙粘土で出来てるんですけど?」
「うーむ、やはり残りのルーブルでは心許なかったか…」
 日本円にして時価707円(内500円は電送代)では仕方がない。 本物に比べると著しく見劣りはするものの、ハイパーの基本特性『ハイパワー&ハイスピン』はバッチリ備えた侮りがたい一品だ。
「行けっ、ブルー!」「いやー!?
 そしてハイパーヘコキャーカノンで見事、怪人軍団の1/3を粉砕!! しかし、彼にとってハイパーカノンの威力は余りに苛酷すぎた。飛んでく間に何度も死んではアロハパワーで蘇生し、この先の輪廻転生を全て使い切ってしまった。使い捨てにしてこの威力…今更ながらに本家ハイパーの恐るべき威力に戦慄するブラック。
「原は…奴ァなんてモノで飛んでいたんだ…!!
 こんなのは人間には無理だ。こんな事が出来るのは…
 すでにいろんな所が開き切っているズタボロブルー。止むなくブラックは自分と原のアロハスーツを重ね着させて回復を図る。しかしその間にせっかく開いた突破口もふさがれ、さらにまぐわいコンツェルンの三役(偽マグワイヤー)が到着!
「まさかこれほどの戦闘力とは…少々君達を見縊りすぎていたようだな」
「く…っ!」今や戦闘可能なのはブラックただ一人(三悪は怪人がいなくて戦闘無能)。しかし彼とてアロハスーツをブルーに着せ、裸同然の状態なのだ(なぜかズボンも脱いでいたので)!!自ら飛んだ場合、スーツを来ていないブラックの死は確定!!それはイヤなのでハッシーかモリッター辺りを撃ってみようともう一度使い捨てカノンを呼び出そうとするブラック、ズボンのポケットから果ては肉ヒダまで裏返してやっと見付けた百円玉で「撃てるんですエコノショット」を請求!…したのだが電送代金がなかったためこちらに送られてこなかった(向こうで用意はされたのだが)。
「バッ、馬鹿な!これならジュース買ったほうがよかった〜!!
 意味もなく無一文!!そんな悲痛な叫びに、ソーヤの両目が輝いた!
「もしかして…金があれば勝てるのか!?
 そして『偽』から渡された手切金八千円を取り出す。
「これを…これを使ってくれ!!
「おおッ!?」遠慮なく八千円をかかげるブラック。
「求むッ!!八千円の使い捨てカノーーンッッ(電送代込み)!!!!
 そして転送されたのは、平家一軒分はあろうかという超巨大使い捨てカノンであった。
「で…デカい!!これだと全員一緒に飛べるんじゃねえか!?
 とカノンの中に入ってみる一同。だがまだ7割方スペースが余り、何だかしっくりこない気がする。
「デカきゃいいってモンでもないよな…」と本家ハイパーと見比べるブラック、その時彼の背中に電流が走った。
「まさか…まさかこのカノンはっ!?」試しにハイパーカノンを砲身内に詰め込むとこれがぴったりフィットした。
「これって一体どーゆーこと!?」 「そうだったんだ…これは・・・ハイパ・・・・・・・・・・・・ンを発射するためのカノン、即ち『ハイパーハラコフカノンカノン』だったんだ!!」 「ホントかオイ!」
 とにかく秒読み開始、アンド発射!!!!案の定カノンは信じられない超破壊力を示し、偽マグワイヤーもろとも戦闘軍団とついでにまぐわいビルそのものまでぶちぬいた。そして地下室の臼も壊れて社員の洗脳も解けたのだった…。
        *            *
 この後、マグワイヤーは『偽』になりすましてちゃっかりコンツェルンを乗っ取った。この膨大な資本力さえ手にした以上、もはや世界は征服したも同然だ!と笑いのとまらぬマグワイヤー。それと同時にまたまた借金取り軍団来襲!何しろトイチの街金から借りていたのですでに借金は天文学的数字に膨れ上がっており、全世界を席巻したまぐわいコンツェルンの資産をもってしても辛うじて27銭ぽっちが残っただけだった。
「短い…あまりに短い夢だったなあ」
 野原に寝転び満天の星を眺めつつ語り合う三悪。もし世界を征服していたら…
「ロリランドを作りますね。よりすぐりのロリでロリ四天王を…」
 そして残った金を手付金にしてなんとか魚光に復帰するマグワイヤー。
 一方、アロハ三人も一応「マグワイヤーの作った怪人」である偽マグワイヤー三人を倒した事によってバイト代が入り(しかも三回分もらえた)、魚光に復帰する事が出来たのだった。


 
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