TOP書庫 > 石巻旅行記
 
The Our Trivial Travel.
゚~†≡『石巻旅行記』≡†~゚
〜アロハ3人 ごゆるり☆東北見聞録!〜



1 ・ 2 ・ 3

念していた台風が無事過ぎ去り、かろうじて天気も持ち直した8月下旬の土曜日…。
我々アロハ3人は聖地・石巻へと向かっていた。

石巻──。そこはブラックが敬愛する漫画家・石ノ森章太郎氏ゆかりの土地。
少年の日の氏は、この町へ3時間以上も自転車をこいで映画を観に来ていたと言う。
その石ノ森先生の作品を題材にして町興しをしているのが此処、石巻なのである。
其処の目玉であり、今回の旅の目的の一つなのが後述する『石ノ森萬画館』だ。


発端 The Reason
事のはじめは2005年の5月頃…。
その日、ブラックは石巻を訪問中の友人に

『海鮮うまー!!岩もっちゃんなんで居ないの?早く来ないと全部食べちゃうよぉぉぉん』

というメールを携帯に頂戴した。ブラックもその旅行に参加したかったのだが予定が合わず、おとなしく家で仕事をしていた真っ最中の事である。

むぅ…そんなに美味いのか?何やら、ウニがめっさ美味いらしい……
ならば、食わねばなるまい!
そう思うや否や、ブラックはブルーへと電話していた。

『石巻行くぞ――!!

この時ブルーは、鳩が豆鉄砲千発食らって今にも死にそうな顔をしたという…(本人談)。
だが前述した石巻への想いと、何やら妙な気迫に圧されて彼は一も二も無く了承した。
そしてこの話はすぐさまリーダーにも届けられる。折り返し来たメールには

『どうせ宮城まで行くならゆっくり2泊しませんか?』

との意外な提案がなされていた。
ならば…!と今回は豪気に初の2泊3日旅行を楽しむ事に。
そう、やはり旅行は2泊3日が基本だ。なんか修学旅行みたいだしな。
…よっしゃ、俄然気分が盛り上がる!

その後お互いのスケジュールの調整をしてホテルも予約し、準備は万端整った。
後は互いの仕事をこなし出発するだけである!!

──そして当日、ブラックは数時間前まで仕事をしていて完全徹夜で出発した。


初日 8/27 晴れ ところにより一時雨
我々は特急スーパーひたち号に乗り、一路北を目指した。
上野から乗って来たブラックと、水戸でリーダー&ブルーが合流。
乗り慣れた常磐線ではあったが、水戸より先へ下った事はあまり無いので一寸新鮮だ。
まずは座席をボックスにして車内売りのビールで乾杯。
ツマミはリーダーが持って来た柿ピーと、あとは何故か甘い物ばかりだ。
黒「ちっ、早速使えねえな!」

とりあえずビールを飲みながら夏コミに出した『幻篇』の話をする。
この製作にはブラックは関わっていなかったので、色々と興味深い話を聞く。
ビールを飲み終えた後、ブラックが一旦席を外し戻って来ると何故かポテロングがそこに。
黒「おいおい、それをビール飲んでる時に出せよぉぉ!」


そんなこんなで2時間も経った頃、最初の目的地に到着した。
『原ノ町』。件の『幻篇』にも登場させた土地だ。
普段常磐線を使っているとよく耳にする一番遠い終着駅が此処であり、
作中で最果ての地のように使わせてもらったのだが、
実は本当の常磐線終着地は仙台だったりする(本数は少ないが)。

  
かくて『伝説の地』へと降り立つ3人。此処がリーダーの町か…。
心なしか身が引き締まるのを感じた(ような引き締まらなかったような)。
隣駅の『磐城太田』&『鹿島』という名前にも何か因縁を感じる。


無邪気に自分の名を冠する町にはしゃぐリーダーと、それを微笑ましく見守るブラック。
だがこの後、リーダーの身にあんな事が起ころうとは…(適当なナレーション)


改札を出てちょいと散策。
青「…思ったより最果てっぽくないねえ」
赤「つーか、たかが隣県の端まで行ったくらいで最果て扱いは非道過ぎるだろ!」
いやまあ、とにかく『原ノ町』の名が使いたかったのだ(笑)。


青「…『原町市』?え、ここ町じゃなくて市だったの!?しかも市名の中に『町』が!」


何か土地の物でも買おうかと思ったが特に見当たらず、イレブンへ。
地域限定商品があるかも…と思ったら、ある、あるよ。埼玉&水戸では見ないのが。
エビフライ巻きにチャーシューおにぎり、わさびお稲荷…。
黒「うぅん、これぞ旅の醍醐味!」(なんか違う)
各自珍品を買って駅に戻り、原ノ町発・仙台行きの鈍行が待つホームへと向かう。

  
と…そこには駅弁の販売(しかも露天)が!!
なんだよなんだよ、ちゃんと旅情をかきたてるものがあるじゃないの。
でもイレブンでしっかり食料を買ってしまったので、弁当1種を買うにとどめました。残念。

  
鈍行に乗って仙台までの残り路程を行く。
動き出す電車。のんびりと風景が流れる。いい感じだ〜。
暫くして買った食べ物を開けはじめる。なんとも旅気分である。
程よくおなかも膨れ、3人は軽い眠りにつく。
…で、気が付けばもう仙台。旅もへったくれも無かった!

仙台から石巻へ向かう仙石線に乗るために、地下ホームへ向かう。
その途中で突如ブラックが色めき立つ。
『ジョッジョジョ…ジョーだ!ジョーが居るよぉぉ〜っ!!
…可哀想に、とうとう徹夜で幻覚が見え出したか…
と渋々ブラックの指差す方を見て、ブルーとリーダーは我が目を疑った。
…そこには確かに、サイボーグ戦士達が鎮座ましましていたのだ!!
ううむ、まだ仙台だというのになかなかのアピールっぷりではないか…!


(クリックで拡大)


さらに進むとこんな案内が…!
青「なんですか『マンガッタン』って。わざわざガタピシ感出す事もないのでは…」
黒「『マンガ・タウン』の略かなんかなんじゃないの〜!?
なんかさっきからブラックのテンションが高い。


地下ホームから仙石線に乗車。思ったより全然普通だ(そりゃそうか)。
線名からして始発駅だと思い込み、余裕で座れると思っていたがさにあらず。
実は仙台の前に一駅だけあって、すでに座席は埋まっていた。
発車してほどなく電車は地上へ…。


ところでこの電車には、ドアの表と裏にそれぞれ開閉ボタンがあった。
…そういえば袋田に行く時乗った水郡線にもあったが、あれは外側には無い。
あと、水郡線にはバスにあるような整理券発行機もあった。
水郡線に無人駅が多い事を考えると、アレは車掌の手間を省く為の物なんだろうか。
…でも多分、この仙石線は違うんじゃないかという気がする。
原ノ町から乗った電車も車両がデッキ部と客車部に分かれてたし、思うにこの辺は
冬が寒くなるので、客室の温度を下げない為の処置なんじゃないだろうか?

…そんなこんなをつらつら考えていると、ある駅を境に客が減り座れるようになった。
だがリーダーは俄然徘徊の度合いを上げ始め、駅で停車する度にドアを開閉して
とにかく風景をカメラに収めまくっていた。
彼は元来旅好きで、人物よりも風景を撮るのが好きなのだ。
ブルーとブラックはそれを横目で見つつうとうとと眠る。


途中、駅からこんなものが見えたり…。どうやら航空祭が開かれているらしい。
赤「くそぅ、一寸あっちも行ってみたいなあ」

  
そして約1時間半…。
我々はとうとう目指す聖地、『石巻』へと到着した!
そんな我々を早速出迎えたのは…

  
出た〜!いきなり自販機が石ノ森チック!
案内図なんかもコレもんですよ。たまんねえな。(共にクリックで拡大)




駅にくっついたカフェ。


改札脇のバッタ怪人にむんずと捕われるブラック!そのすぐ隣りにはごく普通の日常が!

 
反対脇ではサイボーグ戦士がパトロール!フランソワーズ可愛いよフランソワーズ。


そして改札を抜けると、そこには…! 赤「うーむ、最早なんでも有りですな…っ!」


せ、先生のコインロッカーだ!入れろ入れろ〜!!(ホントに入れました)


いやはや何処もかしこも石ノ森!改札前も石ノ森、改札出ても石ノ森!
もう駅周辺が全て石ノ森テイスト!!


よくよく見ると屋根にもペイントが…。 青「こっ、ここは石ノ森帝国か…ッ!?
のちにリーダー曰くところの、『石ノ森まみれ』の様相が今、怒涛の如く始まったのだ。


駅周辺だけでかなりご満悦なブラック。
観光客丸出しで写真をとりまくるリーダー&ブルー(一寸恥ずかしい)。
とりあえず駅前のデパートに入り、今夜宿で飲む酒とつまみを買う事にする。
晩飯は冒頭の人に聞いたお店に行くつもりではあるが、夜は長そうだもんね。

軽めのワインと一ノ蔵の一寸変わったお酒、あと石巻の地酒『大吟醸 弁慶岬』を買う。
http://www.ichinokura.co.jp/pop/pop1.htm
http://www.sakeno.com/meigara/183
ツマミは名物高政のあげかまだ。
http://www.fujisaki.co.jp/fujisaki/special/2005omiyage/kamaboko.html
ついでにリーダーとブルーが食べた事がないと言うので、ずんだ餅を買う。

一通り済んだ後タクシーでホテルへ向かう。
街中を走る途中、壁の数箇所に石ノ森キャラのグラフィティアート
(スプレーで描くアレね)が描かれているのが見えた。
ああ、ホントにここは『石ノ森先生の町』なんだなあ…。
石ノ森章太郎ワールド・Mangattan_net
http://www.mangattan.net/
石巻マンガロード・グラフィティアート
http://www.mangattan.net/tomi-e.html


途中、明日訪れる予定の『石ノ森萬画館』の横を通る。うーん、妙な形をしているぞぉ。
ところでこの萬画館は川の中州に建っているのだが、中州の形がマンハッタン島に
似ている事から『マンガッタン』の名が生まれたらしい。なるほどね〜。


タクシーはホテルへと到着。もう日も落ちかけているのでサクサクとチェックイン。
今回お世話になるのは『石巻リバーサイドホテル』。
石ノ森萬画館と提携を結んでいるホテルの一つだ。
http://www.ishinomakihotels.com/river/



4階の615室へ入り、とりあえずお茶を一服。
…『リバーサイド』の名の通り、眼下には旧北上川の川面が広がる。
河口直前なので結構幅広く、船舶も多い。
一息ついて、今夜食事をする店を探しに出かける。


夕暮れの町を川沿いに歩く。今日は外で夕食をとって終わりの予定だ。

…実は今回の旅行、ブラックの雪辱戦でもある。
数ヶ月前にも石巻を訪れるチャンスがあったのだが仕事の都合でキャンセル。
その時友人から例の冒頭のメールを受け取り、血の涙を流していたのだ(あと血の涎も)。

大まかに聞いた情報でその店を探す。
情報は『萬画館の川向かい』だけだ。いやぁぁぁぁ、おおまかだなぁ。
川向かいってアンタ、中州から見たら2箇所あるやん!
せめて店名くらい覚えといてよ〜!


どう見ても違う方向を無視して駅方面に川を越える。
その途中に小さいながらも風情のある映画館がある。
名は『岡田劇場』。昔は『岡田座』といったらしい。
実は此処こそ、石ノ森先生が少年時代に自転車で3時間くらいかけて通った所なのだ!


その劇場の看板。左下におわすお方が我らが御大だ。
黒「せ、先生、そのポーズはちょっと…」 ブラックの中で大切な何かが崩れた。

劇場の前を通り過ぎながら川を越えると、それらしき案内看板がすぐ見つかった。
『まんぼう・ウニ』
よーし、メールで自慢された内容にぴったりだ。看板に従って探すとすぐに辿り着く。


友福丸
http://www.tree.or.jp/tree/tomofuku_shuuryou/main.html
それらしい店は他にはない。…ならば、入るしか!てなわけで相場も判らずに入店〜。
かなり繁盛しているが席はすぐに確保できた。座敷に座る3人。
…ふと壁を見ると、そこには石ノ森先生の色紙。
例え店が違ったとしても、これだけでこの店に入って成功だった。

で、お品書きを見ると… 『殻つきウニ』 これにすぐ目が行く。
早速ビールと合わせて3人前を注文。
追加でマンボウの刺身、ほやの刺身、鯨の紅白刺身、刺身盛り合わせetc.etc...。
もう、とにかく海鮮三昧。
新鮮。そして美味い。とにかく美味い。特に殻付きのウニは絶品。
いわゆる『さっぱりとして、それでいてコクがある』というやつだ。
赤「トビウオ(しかも刺身)なんて初めて食べたよ…!」
青「俺も鯨(しかも刺身)初めて!別に癖とか無くて美味しいねぇ〜。馬刺しに近いかも?」
〆にイクラのぶっかけ丼を食すつもりだったのだが、刺身だけで腹一杯になってしまった!

帰りしな、調子に乗って明日の晩の予約までしてしまった。
その際お店の人に「航空ショーを見に来られたんですか?」と聞かれたが
(案の定近くで航空ショーがあるらしい)、
我々は漢らしく(えー)キッパリ「萬画館と石ノ森先生の生家探訪です!」と答えた。
やっぱりそれ『だけ』で来る人って珍しいのかな…?


店を出ると、川向こうにライトアップされた萬画館の姿が見える(写真は夕方時の物)。
…タクシーから見た時も思ったが、かなり異様な姿である。明日はあそこに行くのだ。
しかし、今日は初日から北の漁港町をたっぷり堪能してしまったなあ。

その後お店で聞いたコンビニに向かい、お茶のペットボトルを購入。
そしてホテルへと戻る道すがら、とある交差点の角にい〜感じに古びれた
玩具屋を発見する(もちろん夜だから閉まってます)。
プラモや玩具好きのリーダーとブラックが俄然、色めきたった!
青「でもここってもう潰れてるんじゃない…?」
赤「むー、確かに相当古そうだもんなぁ」
黒「いや、コレ(張り紙)を見ろよ…『ストライクフリーダム入荷』ってあるぞ!
少なくとも昨日まではやっていたんだよ!!
赤「…え、いや、なんで『昨日まで』?明日もやっているでしょ!?
青「うーん、相変わらず判りにくいボケだなぁ〜」

…解説しよう!実はリアルブラックのボケはボケだと判別しにくいのだ!(豆知識)

そんなこんなでホテルに帰り着き、まだパンパンの腹で
デザートにずんだ餅を食べる。うーん、枝豆味。
そしてブルーとリーダーは風呂に入るが、
ブラックは徹夜が祟ってそのまますっかり眠りこけてしまった。
おかげで買っておいたツマミと酒も飲まず終い。

その後2人が寝るまでの間、ブラックはやたらハッキリした寝言(しかも前の話題を
ちゃんと踏襲してる)を何度も言いまくっていたのだった…。

1 ・ 2 ・ 3

TOP書庫 > 石巻旅行記