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第23話 モリッターは二度死ぬ 1988年9月3日放映
モリッター、一泊二日の一人旅。ほんの短い旅路の間、一体何を想うのか……。
ま、俺ほど一生懸命戦ってりゃあ、たまにはさびれた温泉宿で普段の疲れを癒したところで罰は当たらねえよな。まずは一回風呂に行き、それからたらふく旨い飯を食べ…よしよし、部屋にはちゃあんとHなビデオがついてるな、それではどれどれ、よいしょっと…。ふうう、すっかりいい汗かいたぜ。深夜の風呂と洒落こむか。 …つるん。おっとお?しまった、石鹸なんかで足を滑らしちまっ…… ふと気が付くと…なんだあ?げげげっ、幽体離脱してるじゃねえか!!やっぱりアゴをしたたか打ち付けたのが悪かったかなあ。でもよ、俺って幽体離脱をしてもやっぱり喋れねえんだな。だあれも気付いちゃくれねえぜ。さあて、困った…これじゃ助けを呼べねえな。こうなったらもう、仕方ねえ。最後の手段だ、女湯へ行こう。 ガッ、ガガッガーン!!なんてこったい、誰も入っていねえじゃねえか。まあ、もう深夜の1時になるし、当然か。こりゃあ参った、なす術なしか…。 いや、まてよ?この時間なら、きっとヤッてる奴らが居るはずだ。ようし、いっちょう探してみよう。おお、いたいた、やっとるね、ウム。そうだ、取り憑いてみれば気持ちいいのを共有出来るかもしれねえな。 …あれ?取り憑けねえぞ?チェッ、まったくシケてんなあ。 …まてよ?だとすると、俺はもしかしてまだ、死んでねえんじゃ…… うわっ! 俺はいきなり身体に引き戻された。気付くと、掃除のオバちゃんが俺のアゴを一生懸命握ってる。余りに立派なアゴなので触っていたのが心臓マッサージならぬアゴマッサージになったという事らしい。 こうして俺は九死に一生を得た。無事に水戸に生還をした俺ではあるが、勿論俺はいつもの通りに黙したままだ。だから当然、他の奴らはゆうべの事を知る由もない。 |
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