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ALOHAMAN IN ETERNAL SUMMER
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第42話
鼻息ため息ストライキ 総統あんたが悪いのよ
1989年1月14日放映


 年が明けてからというもの、アロハ三人は餅ばかり食っていた。三人の実家からたんまり送ってきたのは有り難いのだが、金が無くて他に食うものが無かったのだ。連日三食餅づくしのマンネリを打破するために、磯辺焼き、あべかわ、あんころ、納豆、大根おろし、チーズ、雑煮(具なし)等が試みられたが、もう限界にきていた。
「俺、もう胃がもたれてきたよ」
「モチつもたれつってか?」
「俺なんかモチ肌になってきたよ」
「このままじゃ脚気になりそうだな…」
「愚痴るのはよそうぜ。世の中には正月にモチも食えない人たちが沢山いるんだ。俺達は幸せだ」 
「沢山て、どこにだよ」
「…カンボジアとか」
「モチは食わねえだろ、カンボジアじゃ」
「モチろん」 
青黒「……」

 その「正月にモチも食えない人たち」マグワイヤーの面々は、ソーヤお手製の七草粥を食べようとしているところだった。そこらの雑草を七種類集めて入れただけのものを「これでも七草粥とは言えねえかい!」と突き出すソーヤ、しかも激マズ。何せ全く味付けしていないのだ。ソーヤ自身は具のない塩味がゆを旨そうに食っている。
「お前等には栄養つけてもらわなきゃならんからな」
 しかし、二人の堪忍袋は限界に達した。
「もう…沢山だ、こんな生活…!!
 無表情にウンウンと頷くモリッター。愛想をつかした二人は、ついにストライキバルキリーに乗って家出してしまった。
「フン…堪え性のない奴らだ」
 こっちから願い下げだ、と意気がるソーヤ。試しに七草粥を食って絶句する。

 その頃、栃木の山奥に燃料切れで不時着している機体。
「…いいさ、どうせ戻る気なんてなかった」
 自由の空気に活気づくハッシー。
「ここにダメ人間の王国を造ろう…!」


 
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