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ALOHAMAN IN ETERNAL SUMMER
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第44話
激闘!大洗一本釣り
1989年1月21日放映


 長く何もない一本道をとぼとぼ歩いているソーヤ。吹きすさぶ寒風。もう五日も何も食っていない。ふらつく足。時折見える幻覚。しかし彼女はある噂に一縷の望みを賭けていた。
 最近大洗に、『一本釣り怪人』なるものが出現しているという。マグワイヤー再建の第一歩として彼をスカウトするのだ。
 大洗港まであと5キロ。と、見覚えのあるバイクが二台、彼女を追い抜いていった。
 あ、あれは…アロハマン!?排ガスに咳き込むソーヤ。と、レッドのママチャリが、全く普通の姿勢でこいでいるにも関わらず、凄まじいスピードで追い掛けてゆくという気味の悪い光景を目のあたりにした。
 間違いない。奴らは一本釣り怪人に対して出動したのだ。私も急がなくては!
 たまたま通りかかった魚屋のおっさんのカブを色仕掛けで奪い(おっさんの目はなぜか怯えていた)、一路大洗港を目指す。

「…どこにも怪人なんて居ないじゃん」 ブラックがぼやいた。
 港には人気も少なく、平和そのものだ。堤防の先で釣りをしている人が居たので声をかけてみたら、なんとアゴの先に釣り糸を結んだモリッターだった!
!?」 思わず身構える三人。
「一本釣り怪人てのは、お前だったのか…!」
 これではただの『怪しい人』ではないか。
 と、海面から海女さんの格好をしたハッシーがザバーッと現われた。
「おーい、大漁だぞ…!?
「お前ら…何やってんの?」
「おのれ…!魚は渡さん!!
「はあ?」

 大洗港についたソーヤはカブが積んでいたイワシの血を啜り、身をかじりながら事の成り行きを遠くで見守っていた。
 自分が割って入っても、ハッキリ言って戦力にはならん。ここはいっそあの怪人がアロハマンに勝てるかどうか見届けてからで遅くはない。勝てないのであれば、わざわざスカウトする意味もないのだ。
 と、ブルーの体が宙に舞った!一本釣り怪人が釣り上げたのだ。もう一人の海女さん怪人がブラックを海に引きずり込む。
 欲しい!あの強さ…しかも都合のいいことに二体も居るではないか!
 ソーヤは一人ほくそ笑んだ。

「ブルー、ブラック…!!
 二人はあっという間に捕らえられ、原は手が出せなくなっていた。二人を盾にされてはカノンも撃てない。ハッシーとモリッターがこんなに強かったなんて…。原始の生活が二人を逞しくしたのだろうか。
 このまま悪二人が勝ってしまうのか…!?


 
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