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第45話 大洗鹿島線ブルース 1989年1月28日放映
「原…かまうな!俺達にかまわず撃て!」
ブラックが決心したように叫んだ。 「し、しかし…!」 「大丈夫だ、俺達はお前のギャグには慣れている!」 それが虚勢なのは分かっていた。しかし友の心意気を無にするわけにはいかない。原はセルフタイマーで自らを発射した! だが悪二人はこれを軽々と避け…原はどこまでもどこまでも飛んでいって…海の彼方へ消えてしまった。ブルーとブラックは腹をくくった。 ソーヤは十五匹目の生イワシを飲み込みながら刮目した。 あの二人…いける!もはや勝ったも同然…今こそ、彼らをスカウトする時! 息巻いて駆け寄り、声高らかに宣言をする。 「ようこそマグワイヤーへ!君達のその力…」 はああっ…ハ、ハッシー!!モリッター!!!? 「そっ…総統…?」 茫然とする悪二人。と、ブルーが呟いた。 「なあ…なんか海の水が減ってねえか…?」 黒「なんだよこんな時に…干潮じゃねえか?」 青「いや…変だ、こんな短時間に不自然すぎる!」 つられて振り向くハッシー。「ああっ…あれは!?」 なんと、高さ十メートルはあろうかという津波がすぐそこまで迫っていたのだ。しかも、その波頭には… 「リ…リーダー!!!?」 颯爽と波に乗る原。彼は沖の海中で砕玉剣を撃ちまくり、大漁の海水を消滅させたのだ。そこへ周りの水が流れこんで一時的に水面が下がり、その巻返しで津波が生じたのだ。 「うわー!?」 そのまま、全員が波に飲み込まれてしまった。 「へーっくしょい!」 三悪は水戸へ迎う電車の屋根にタダ乗りしていた。濡れた体に寒風が突きささる。鼻水を垂らすソーヤに、二人はマントを差し出した。 「お前等…逞しくなって」 照れ臭そうに笑う二人。 「総統…あの時何か言いかけましたよね。確か…」 「…お前たちを…スカウトする」 今は、自分がこの二人を必要としている事に素直になれるソーヤであった。 「ようこそ、マグワイヤーへ…!」 ゴトンゴトトン。大洗鹿島線は夕日にむかって走っていく。 …一方、波にさらわれたアロハ三人は、暗く冷たい夜の遠洋を彷徨っていた。 「寒いっス」 「マジで死ぬかも…」 追伸 水戸に戻ったソーヤは、しばらく寄生虫に苦しんだとのこと。 |
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