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ALOHAMAN IN ETERNAL SUMMER
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第48話
ハラコフカノン vs モリッターカノン
1989年2月18日放映


 なんとかアロハマンに勝ちたいマグワイヤー。しかしもう怪人製作費が全くない。どころか、借金でチャクラも回らないのだ。怪人以外で何かいい方法は…。と、ハッシーが閃いた。
「我々も、奴らを真似ればいいんですよ…」
 つまり、誰かをカノンで飛ばして対抗しようというのだ。しかし誰を?
「…私は嫌だぞ?」 「…私もですよ」
 かくて飛ばされ役はモリッターに決定。幸い彼のアゴの形状は、空力学的にも非常に優れている。

 翌日、出動したアロハマンは驚いた。なんと土管に詰め込まれたモリッターがこっちを狙っているのだ。
「わははは、来たなアロハマン、今日がお前らの命日だ!」
 どよめく三人。
「なんだよ、あれ…ひでえことすんな」
「信じられねえよな。人を人とも思わぬ所業だね、ありゃ」
「いつもお前等がやってる事だろ!!
「…しかし、アイツにも某か( なにがし )のパワーがあるってのか?」
「寡黙力とか?」 「むっつり力」 「鉄面皮力?」
 言いたい放題の三人に構わず、ソーヤはカノンをぶっ放した。
「行けえ!」
 ドカン(←ギャグ)、と放たれたそれはスルスルと飛んできた。
「はん、こんなものに当たるとでも…」
 と、その時信じられない事が起こった。原がおもむろにモリッターのアゴを掴むや、そのまま連れ去られてしまったのだ!
「は、原!?」 「これは一体!?
 見ると、原はとろんとした表情でアゴにぶらさがっている。そのままスルスルと飛び続けたモリッターは、原もろとも崖に激突した!
「わはは、見たか、モリッターの『アゴ握らせ力』!」
 迫りくるアゴがあまりにも握り易そうなため、誰しも思わず握らずにはいられないというのだ。駆け寄ってみると原は恍惚のうちに死の淵へと運ばれたらしく、気絶してなおアゴを放そうとはしなかった。
「…よほどしっくりときたんだな」
「やはり人間、この手の形状は握らずにはいられないと見える」
 モリッターもアゴをしたたかに打ち付けて気絶している。死なば諸共の恐ろしい技だ。
「どうする、このままじゃカノンも撃てねえぞ…?」 「……」
 しかしブルーが一計を案じた。
「一か八か、撃ってみよう!」 と、呼び出したカノンに二人を無理矢理詰め込み、そのまま発射した!気絶したまま仲良く飛んでゆく二人。重量オーバーで初速は鈍かったが、モリッターの空力の良さでスルスルと伸びのある弾道だ。
「わはははバカめ、そんな遠距離からそんなスピードで、避けられないとでも…」
 だが!一瞬後にはアゴに捕まったままうっとりしているソーヤとハッシーの姿があった。そのまま飛んでいった四人は、原の存在意義消滅力が頂点に達するや、空中で爆発した。
「原ー!」
 ボロボロの三悪の中で、原は一人夢から醒めたようにキョトンとしていた。
「あれ…?俺、なんかやった…?」
「わははは、全くお前って奴はたいした野郎だぜ!」 と背中をバンバン叩くブラック。
 しかし、真に恐るべきはモリッターのアゴかもしれない。


 
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