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第50話 ハッシーの平凡な一日 1989年3月4日放映
ハッシーの一日は、小学生の登校風景を観察することから始まる。そのため、ハッシーは学校週休二日制に断固として反対する不屈の執念の人である。そんな彼にとって、3月3日のひな祭りが祝日ではないということはひとつの大きなジレンマであった。平日であるからいつも通りの登校風景を観賞できるのは有難いのだが、ひな祭りの日が休日になり、女の子がみな七五三よろしく晴れ着姿に着飾ったりする…というのもまた、捨てがたい。しかもひな祭りパレードかなんかあったりして、そんな着飾ったろりぷにの女の子たちがぞろぞろ行進したりする行事が定着したならば…ああん、もお!と思わず身悶えをするハッシーだった。
そんな妄想をしている間に時刻は昼すぎ、小学一年生が帰る時刻だ。もちろん、チェックを欠かす彼ではない。最近では制服を着る小学校も増えたので、そのうち『全国女子小学生制服図鑑』なるものを編集・発刊したいというのが彼の秘かな野望とか。 昼下がりのけだるい午後は、女子高脇の裏道で壁にもたれて、中から聞こえる体育実技の時間の黄色い歓声に耳を傾ける。 以前は覗きや女子更衣室への潜入などを敢行していた彼であったが、最近は頑丈な壁が張りめぐらされるわ警備は厳しくなるわで、物足りないことこの上ない。以前、覗き怪人を作成してみたのだが、怪人本人が独りで楽しんでしまい、ハッシー自身は実につまらなかったので腹いせに廃棄処分に付してしまったことがある。 おや、そろそろ小中学校の下校時間だ。登校時とは違って体操服やジャージのままで帰る娘がいたりするので目が離せない。そしてそのまま市街へ河岸を移して、中高生の溜り場を重点的にチェックする。そうした場所ではリラックスするためであろうか、ときどき可憐な乙女にあるまじき下品な態度や言葉が飛び出したりして、これもなかなか見逃せないのだ。 言い忘れたが、ハッシーは秘かにバイトに励んで貯めたヘソクリで、最新式のビデオカメラとデッキを買いそろえている。全ては、こうした貴重な乙女と幼女たちの記録を鮮明に残しておくため、ひいては人類の貴重な宝を保存するため… しかしハッシーはまだ知らない。彼の撮った貴重なテープの数々は、片っ端からモリッターがアニメ番組を録画して潰してしまっていることを…! ああ、哀れなるハッシーよ。その報われぬ魂に幸多かれ…。 |
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