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ALOHAMAN IN ETERNAL SUMMER
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第57話
ラッキーボッキーセンタッキー
バルボアロッキーヘプターキー
やってこいこい大魔神

1989年4月22日放映


 最近、駅前で妙な事件が立て続けに起こっている。銅像前で待ち合わせていた人たちが何者かに気絶させられ、ことごとく金品を奪い去られているのだ。さっそく調査に向かうアロハ三人。どうもこの事件にはマグワイヤーの匂いがするのだ。
 ところが銅像の前にきてみても、原が何のギャグも言わない。
「銅像をどーぞとでも言うんかと思ったが…何っ!?
 ふと上を見ると、原が銅像に捕まっていた!
「この銅像、怪人だったのか!」
「どっ…どーぞーするなら金をくれ!」
「なんか救ける気、失せたな」
 出っ歯で腕に噛みついて振り解く原。
「やあ、初めましてアロハマンの皆さん…僕とお相手願えますかな?」
「どっ…どーぞうが出てきてコンニチワとはこの事だ!」
「どっかいけよ、お前」 さっそく変身、臨戦体制を取る三人。
「ブルー、お前は戻ってカノンを買ってきてくれ!」…
「おう!」 あくまで電送代はケチろうという精神だ。
 ところで、今回の怪人はなぜか上半身のみである。おそらくマグワイヤーの財政は下半身を作る余裕さえないほど逼迫しているのだろう。だが、その上半身はムキムキで強力そうなボクサータイプだ!
「僕さー…」 「黙れ」
 所詮は上だけ( ジオング )野郎でいらっしゃるじゃねーか、とタカをくくってかかってみたが、どっこいこれがメチャ強い!スリッピング・ダッキング・はたまたスウェイング等の技術を駆使して、ただの一発もかすらせない!一方的にボコボコにされていく二人。脚など飾りに過ぎない自分達が今は恥ずかしかった。
「さあて、そろそろ必殺ブローを決めさせて頂きますよ…!」
 ボクサー怪人は自信満々だ。そこへようやくブルーがカノンを持って戻ってきた。
「随分と遅かったじゃねーか!」
「いやあ、途中で何しに戻ったのか忘れちゃってさ」
 忘却力は時と場合を選ばない。
「しかしせっかく来たはいいが、カノンは役に立ちそうもないぜ」
「何!?
「アイツの上体は柳のようにしなやかだ。一点集中型のカノンでは簡単に避けられちまう」
「柳の下のどーぞうって奴だね」 「死ねよお前」
「へっ…返品してこよっか?」 「そんなの後でいーって!」
 しかしこのままでは敗北は必至だ。三人同時に襲いかかっても、おそらくはかわされて同志討ちがオチか…。三人はすがるような目でカノンを見た。どんな時だって、最後はいつもこいつが助けてくれたのに…!もはやこれまでか…と思ったその時、ブルーが・・それに気付いた。
「なんだ…これ?『パノラマ切替』って…」 「な、何!?
 見ると確かに切替スイッチが。
「そうか、パノラマ兼用…こいつは『撃てるんですパノラマ』だったんだ!」
「パ、パノラマ!?」 「一体どういう事だ!?
「わからん!…だが、やってみるしかない!」
 急ぎ原を詰め込み、パノラマ発射した!すると…
 それは、信じられない光景だった。なんと、原が真横の体勢で撃ちだされたのだ!従来のカノンの攻撃は『点』であった。しかしこれは『線』!さしわたし170cmもの『線』だ!空手の突き蹴りはムエタイの回し蹴りの前に敗れたという…!!さしものボクサー怪人も、この広大な有効打撃範囲をかわすことは出来なかった。
 爆発の後には今まで盗まれた金品が散乱していたので、警察に届ける三人。後でもらえる一割が楽しみだった。

その夜、金品を回収にきたマグワイヤーはしばし愕然としたという。


 
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