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第60話 音速を越えろ!ハラコフカノンマッハ5.5 1989年5月13日放映
5月病の季節も関係なく、アロハ三人は『真空の壁』対策を練っていた。前回はなんとか命拾いしたとはいえ、弱点であることに変わりはない。再びその能力を持つ怪人を送り込んでくるのは必至だ。ようやく人並みに動けるようになった原を交えて無い知恵を絞る。
黒「やっぱヘコキャーカノンだけじゃ心許ないしな…根本的解決にはやはり弱点を克服せねば」 青「俺、ずっと考えてたんだけどさ…」 グッと身を乗り出す二人。 青「亜空間を飛ぶってのはどうかな?敵の目の前にワープアウトするんだ。びっくりするぞー、これは」 原「びっくりさせてどーすんだよ」 黒「第一亜空間って空気あるのかよ。いや、そもそもどこにあるんだ?」 ブルーに期待した俺達がバカだった。 原「そこいくと俺の理論は完璧だぜ」 青「ふん?」 原「『銀河鉄道999』に着想を得たんだがね。宇宙空間で窓を開けているだろう?あれは宇宙空間を通る見えないチューブの中を走っているからなんだ。もちろん中には空気がたっぷりある…おわかりかな?怪人の所までチューブを通せば真空恐るるに足らずってカラクリさ」 黒「それって砲身が長いのと一緒じゃねーの?」 原「そーゆー・・方針です」 青「チューブの中に『壁』叩き込まれりゃ同じだろ?」 原「…」 かくして振り出しに戻った。 黒「こーなりゃ俺が出すしかねーな」 もう誰も期待していない。 黒「いいか、『音』でだめだったんだ。なら『音』を超えればいい…そうだな?」 原「む…筋は通ってる」 黒「『音』を超えるって事はつまり音速を超える、って事だ」 青「成程、そいつぁ道理だナ」 黒「よく考えてもみろよ、マッハだぜ?『マッハ』!音速でさえカノンのパワーは理論上無限大の可能性を持つんだ。マッハ幾つともなれば…」 青「無限大の何百倍!!」 原「けど…そんな嘘みたいなスピード、出せるのか?」 皆の動きが止まった。と…その時、待っていたかのように長官が出現した。 「諸君等にこれを授けよう…」 「こ、これは!?」 * * * 性懲りもなく送られてきた果し状の指定の空き地に来るマグワイヤー。 「最近なんか空き地づいてるなあ…」 そこへカノンを引っ張ってくるアロハマン。早速カノン対怪人の一騎打ちを申し込む。マグワイヤーの、時節柄廃品利用の鯉のぼり怪人にはやはり『真空の壁』発生機能が付けられていた。それ自体はたいして金のかかるものではないのだ。前回で財政が振り出しに戻ったマグワイヤーは、これで起死回生を図っていた。両者向かい合って秒読み開始、ゼロと共に点火された! 「いけえッ『撃てるんですウソ800』!!」 通常の『撃てるんです』シリーズは500円なのに比べ、これは800円!原と一緒に生活費が飛んでいった! その威力は想像以上に凄まじく、原は最高速度マッハ5.5を体現した!驚愕する三悪。爆音が聞こえるより早く怪人が砕け散ったのだ!一瞬後、ドオンという凄まじい音と共に周囲30bの地面が消失し、1`四方の家の窓が割れまくった。通常のそれに加え、存在意義消滅力の衝撃波が発生したのだから物凄い威力だ。 「やったな、原!!」 喜び勇む二人。だが、原の姿はどこにもなかった。 ちょっと考えれば分かる事だったのだ。原が音速を超えるという事は、存在意義消滅力をのせた音を原が追い越してしまうという事だ。つまり威力より先に生身の原が飛んでくる事を意味する…マッハ5.5で!! ……それはもはや、単なる一物理兵器にすぎない。 相手が受けたのと同じダメージを原も受け… 原は、バラバラの肉片になってしまった。 |
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