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第67話 黒き十字架 1989年7月1日放映
夏休みも近付いてきた日曜日。毎度の事ながら資金ぐりに困ったマグワイヤーは小山遊園地のヒーローショーでバイトをしていた。
「えー、おせんにキャラメルいかーっすかー」 本当は戦闘員の役で応募したのだが、それを断られても屈辱を感じない程に彼らの財政は逼迫していた。 そんな事まで阻止しようと出動してくる非情のアロハマン。しかしブラックの件でギクシャクしていた事もあり、結果的にショーをメチャクチャにしてしまっていた(なにしろ当の主役を倒したりしていた)。 と、そんな所へ颯爽とザンベとマチが登場し、観客からまるで救世主のような扱いを受ける。 黒「バカな…それはオレ達に贈られるべき賛辞の筈だッ!」 青「そーだそーだ!怪人マゾ男とサド女のくせに生意気だっつーの!」 バーカバーカと相手を罵りつつ、皆さーんだまされちゃいけませんよーと観客に訴えかける二人。こんなよく考えれば横柄で失礼な態度も彼らの『正義の味方』としての奢りが為せる業なのだろう。 ところが当の相手は余裕シャクシャク。不適な笑みを浮かべつつ、彼らの幻想を根底から覆す言葉を放った! マ「ハッ…お笑わせでないよ、この『怪人アロハ男』が!」 黒「なっ…!!!?」 青「あ、ああ…あう!」 必死で何か言い返そうとするが、何も台詞が出てこなかった。 「畜生、やっちまえ〜!(泣)」すっかり悪役に堕した二人。だが睾丸鞭でザンベを攻撃したブラックは、その反応に戦慄した。 黒「なっ…こいつ、よがりやがる!?」 青「気をつけろブラック、そいつは真性マゾヒストだ!!」 とか言ってる間に三悪とまとめてボロンボロンにされ、あまつさえそれを見た観客が大歓声をあげる。 「くっ…こうなりゃカノンしかないぜ!」と起死回生を図って呼び出したが、何か肝心なものが一つ足りない。 青「あれっ…原…居ねえじゃん」 そうなのだ。原はまだ傷が癒えずダダをこねたので家に置いてきたのだ。なんにも出来ない二人。しかも観客からは「何あれ、カッコ悪ーい」と大不評!更には「カーエレ、カーエレ、」と帰れコールの大合唱!! 「あ、あ…!」声を震わせるブラック。彼は再び存在の不安に怯えていた。せっかく存在意義の存亡と生活費を賭けて一大決心で正義の味方に戻ったのに、いきなり木っ端微塵に否定されてしまったのだ…それも守るべき大衆によって! 壇上ではザンベとマチが大喝采を浴びている。このままでは…マグワイヤーを倒した彼らの口座にバイト代が振り込まれてしまう!? 「食べ物を持って帰ると…」虚ろな声でつぶやくブラック。 「ほめてくれるんだ、智美が。それが、俺がここにいていい理由…俺を支える全て。…だから…俺はアロハマンにならなきゃいけない。なって、戦って…勝たなきゃならない」 もう… 「もう二度と負けられないんだ、この俺は!!」 何かにとりつかれたブラックは、ブルーに無理矢理イモを食わせて屁に点火、会場もろとも敵を爆破した!子供の観客が大勢いるのにも構わぬこの仕打ちに、辺りは阿鼻叫喚の渦と化した。 さらに魚光に帰ったブラックはバイト代を全額持ち去ろうとした!しかも気付いた原がカプセルをドンドン叩いて暴れるのを見て、いまだ出っ放しのブルーの屁を導屁管でカプセル内に導き原を悶絶死させた。 もはや目的のためには手段を選ばぬ修羅・ブラック。 「智美のためなら何でもしてやる…昔の仲間を殺すことさえ」 ブラックは今、黒い十字架を背中に背負った。 「…そう、俺は黒いキリスト…!」 役「君は一体どこまで行く気なんだ?」 ザ「日本…制圧!」 「ここにも長くは居られないかもな…」 自分を快く迎えてくれた智美の前で、正義の味方として虚勢を張るブラック。「勝った勝った!」と身振り手振りでウソ八百を並べたて、勢いで鍾乳石の上に飛び乗ったその時!折しも山上ではレジャーランド建設のための発破がかけられ、その衝撃で天井の鍾乳石がブラックめがけて落下してきた! 智「!!…危ないっ!!」 間一髪で智美がブラックを突き飛ばしたが、かわりに智美自身が鍾乳石に挟まれてしまった! 黒「うわあああああ!!とっ、智美ーッ!!」急いで助け出しアロハスーツを着せて延命するものの、一向に回復に至らない。 「馬鹿な、原はいつもこれで…」 そうか、原のスーツが特別なのかもしれない。それとも原が…? ともあれさらに着させれば違うだろうと、早速魚光に乱入してブルーのブレスレットを首尾よく奪い、更にはまだカプセル内で回復途上の原のスーツまで剥ぎとった!ゴボゴボと苦しみ悶える原を見てつぶやく。 「…そう、俺は黒いキリスト…!!」 |
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