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第108話 ギャグが受けない!シベリア送りだ哀愁の原 1990年4月14日放映
荒れ狂う吹雪の中、アロハ三人はハラコフカノンを引っ張っていた。カノンの電送システムは一方通行なのだ。今まではたいてい水戸市内、遠くてせいぜい日立だったので持ち帰る事も出来たのだが、ソ連となるとそうも行かず、かといって捨てて帰るわけにも行かない。
「…だってまだローンが半分以上残ってるしなあ…」 次第に無口になってゆく三人。もはや極限の疲労の中、5分に1回原がギャグを。こんな境遇に置かれては例えキリストでも寛容さを失うだろう。まして凡俗の二人としては無言で原をカノンに詰めて屑鉄業者に売ってしまうのだ。しかも支払いはルーブルだった。 「結局、鉄クズが紙クズに変わっただけか…」 「中に入ってたのは?」 「人間のクズ」同じクズなら軽い方がいい。 とはいえ、旅費が出来たのは確かであった。シベリア鉄道に乗り、中国経由で日本に帰ろうとする二人。だが…! 夜、何気なく列車の窓から外を眺めたブルーが見たのは50b向こうで並走するカノンであった!これは一体どうしたことか、カノンが列車を、とゆーより二人を追っているのだ(しかも浮いて)! 「うっ、うわああああああっ!?」 その後の旅路は、まさに悪夢だった。 トイレの個室の上からこちらを覗いたり、窓の角っこやドアの隙間からこちらを見ていたり、タンスの裏の隙間にいたり…。何か寝ぐるしいなと思って目を開けると、案の定カノンが上に乗っかっていたりした。 精神的に追い詰められて、次第に半狂乱になる二人。 「いやだ…俺はもういやだーっ!!」 「落ち着け!落ち着くんだ!!」 思い余って祭壇を作って生け贄(飛んでたハエ)を捧げ、亀甲占いで神託を求めた。すると「カノンを立てて水を満たし、堅くフタを閉ざしなさい」という意味のヒビが入った。 二人がその通りにしてみると、この世のものとも思えぬ断末魔と共に、フタの隙間から痩せこけた手が出て、砲身のヘリをガリガリとひっかいた。二人は必死でその手を押し込め、堅く堅く封印をして、とどめにバイカル湖の最深部へと沈めたのだった。 |
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