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ALOHAMAN IN ETERNAL SUMMER
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第117話
まさか!ブルーに春がきた
1990年6月16日放映


 今日のブルーは何かおかしい。この絶え間ない極貧状態にも関わらず、なんとも幸せそうなのだ。問い詰めてみるがなかなか口を割らない。
「へっ、まさかとうとう春が来たってわけじゃ…」
 コクリと頷くブルーに「なにィィィ!?」と驚く二人。
「どっ…どんなんだ!?教えろ!」
 しかしブルーはそれ以上何も言おうとしない。
 相手を見ようと後を付ける二人。それにつけても幸せそうなブルーに、
「腹は減っても胸いっぱいってか…」となんだかドス黒い感情がこみあげてくる。 「キイイイ、ねたましい!」
 嫉妬に狂った二人との吸った揉んだの挙げ句、とうとう白状するブルー。
「…実は・・これが昨日届いたんだ」
 見ると、それはでかでかと『春』と書かれた宅急便だった。
 しばらく前からブルーの仕送りは年4回に減っていて、その春の分が今年はもう来ないのかと思ってたのが、宅配会社の手違いで今になって届いたというのだ。
「箱いっぱいに食物が入ってる筈だぜ。こんな時だから有難いよな」
「…でも今もう6月だぜ!?中の食べ物って…」「……」
 よく見ると、箱の底は何やらすえた匂いの汁でじっとり湿っている。
 …結局、その箱が開けられる事はなかった。


 
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